
年々増えている単身世帯
年々少子高齢化が進む中、さらに晩婚化や核家族化なども増えていて「おひとりさま」と呼ばれる単身世帯が増えています。今は配偶者や家族がいても、未婚や子供がいない場合はいずれ自分がおひとりさまになる可能性はあります。
ここ最近では熟年離婚なども増えていますから、ある日突然おひとりさまになってしまう、という想定外の出来事もあるかもしれません。若い世代でも以前と比べて離婚に抵抗を感じないようになっている傾向があり、離婚率も年々増え続けています。再婚のチャンスがあっても、人と暮らす事が煩わしいと思ってしまうと、そのままずっとおひとりさまのままというケースも少なくありません。
一見自由気ままに生活できて、気楽で良いと思ってしまいますが、ひとりという場合は自分が所有する財産の法定相続人がいないという事になります。
おひとりさまが抱える不安
相続には順位があるので、おひとりさまでも相続人となれる人が居るかもしれません。相続の順位としては、配偶者、子、親、兄弟姉妹です。非相続人の子供が死亡している場合でも、孫がいれば孫に相続権があります。
ケースとしては少ないですが、非相続人の親が死亡している場合、祖父母に相続できます。しかしいずれの場合も該当せず、天涯孤独の場合は「相続人の不存在」となってしまうのです。
おひとりさまの相続について
相続人不存在の場合でも、遺言書に相続させたい人を書き残しておけば、自分の死後はその人が相続人となります。
こちらのサイトでも詳しく説明しています。
>>http://souzoku.yabuuchi-office.com/5_5.html
知人や生前お世話になった人、何らかの団体に寄付するなど選択肢はいくつかあるのです。しかし遺言書もなく、相続人不存在だった場合は、財産はどうなってしまうのでしょうか?
この場合は関係者が家庭裁判所に、相続財産管理人を選ぶよう請求することができます。相続財産管理人は、相続人を探すための公告をします。
しかしそれでも相続人が見つからない場合は、非相続人と縁故があった人が請求すれば相続する事が可能です。内縁の妻の場合は、この方法になります。それでも相続人が見つからない場合は、財産は国の物となってしまいます。
生きている間にやっておきたい事
おひとりさまだから相続人がいないと思っていても、実は遠い親戚がいるという事もあるのです。戸籍などを調べてもわからない時は、専門家に依頼すれば探してもらえます。親族に相続人がいない場合でも、親しくしている知人や、お世話になった人に財産を残したい相手がいる場合は、遺言書を書いておきましょう。
もしも持ち家や不動産がある場合は、それも全て国の物になってしまいますから、管理できない場合は売却して、賃貸に済むなどの対策も必要です。高齢者の場合は有料老人ホームに入るという選択肢もあります。
また、相続される財産の中には、土地や建物、貴金属、美術品のように、分配することが困難である財産も存在します。こういった財産は、どのような形で相続するかを書き記しておいてください。とくに、価値の高いものほど、「誰が相続するのか」というトラブルにも繋がりやすくなるため、避けられるうちに手を打っておくべきでしょう。
こういった財産の中でも、個人が収集していた美術品や調度品などは、専門家の目を通して査定してもらうことで正しい価値を算出することができます。生前のうちに現金化しておけば、相続者が複数人いたとしても、分配が容易になることでしょう。